Biologics Expert Seminar in RA
2017年6月3日(土) 東京のホテル椿山荘東京で開催されたBiologics Expert Seminar in RAについて報告します。
ホテルの日本庭園です。
三重塔の近景です。
蛍を見ることができました。
「生物学的製剤の用量調節と免疫原性」(金子 祐子先生 慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科)
「抗製剤抗体には中和抗体と非中和抗体があり、中和抗体はFab部分に対する抗体なので、薬効は当然落ちるが、Fc部分に対する抗体である非中和抗体でも、製剤-抗製剤抗体で免疫複合体が形成され、脾臓でクリアされ得るため、薬効が低下することがある。」と述べられていました。
ゴリムマブはアダリムマブに比べ、抗薬剤抗体ができにくいことが判明しています。
抗薬剤抗体発現率 | メトトレキサート併用 | メトトレキサート非併用 |
---|---|---|
アダリムマブ | 19.3% | 44.0% |
ゴリムマブ | 0% | 3.3-4.0% |
「Biologics増量投与のBest Useを探る」(神戸 克明先生 東京女子医科大学東医療センター 整形外科・リウマチ科)
以下の5つのコメントが参考になりました。
1)ゴリムマブはMMP-3 200以下の症例に有効だった。
2)アダリムマブ、トシリズマブのpartial responderに対し、ゴリムマブに変更すると良く効く例があった。
3)ゴリムマブは肩や足関節の病変に有効だった。
4)高齢者にはゴリムマブ 100mgのmonotherapyが有効かつ安全だった。
5)認知機能低下の高齢者には4週に1回医療機関で皮下注できるゴリムマブが適しているのではないか。
「Biologicsの課題解決に向けた治療戦略」(土橋 浩章先生 香川大学医学部 血液・免疫・呼吸器内科)
自験例より、「生物学的製剤の一次無効を制御するためには、増量可能な生物学的製剤の場合、高用量より使用すべきである。ゴリムマブの場合、50mgから100mgへ途中で増量するより、最初から100mgを使用したほうが有効だった。」と報告されていました。
「ゴリムマブの場合、関節リウマチの疾患活動性が制御できていないと、途中から抗製剤抗体ができてくる可能性がある。」とのことでした。
関連ページ
- リウマチ因子とは
- リウマチ因子について説明します。
- 関節リウマチの治療
- 関節リウマチの治療について
- 抗リウマチ薬
- 抗リウマチ薬について説明します。
- メトトレキサート
- メトトレキサートについて説明します。
- 生物学的製剤
- 生物学的製剤について説明します。
- JAK阻害剤
- JAK阻害剤について説明します。
- 関節リウマチ薬の内服の注意点Q&A
- 関節リウマチ薬の内服の注意点について説明します。
- リウマチ患者の日常生活上の注意
- 関節リウマチ患者が日常生活上で注意すべき点について説明します。
- リウマチとインフルエンザ
- 関節リウマチとインフルエンザについて説明します。
- ACR・コア・セット、DAS
- ACR・コア・セット、DASについて説明します。
- 関節リウマチと喫煙
- 関節リウマチと喫煙について説明します。
- 関節リウマチと脳心血管病変
- 関節リウマチと脳心血管病変について説明します。
- 関節リウマチと悪性腫瘍
- 関節リウマチと悪性腫瘍について説明します。
- エンブレル全国講演会2016
- エンブレル全国講演会2016について説明します。
- エンブレル全国講演会2017
- エンブレル全国講演会2017について説明します。
- HUMIRA National Symposium 2017
- HUMIRA National Symposium 2017について説明します。
- ORENCIA SUMMIT in 2017
- ORENCIA SUMMIT in 2017について説明します。
- 第6回RAとIL-6研究会
- 第6回RAとIL-6研究会について説明します。
- 関節リウマチと妊娠
- 関節リウマチと妊娠について説明します。
- リウマチと災害
- リウマチと災害について説明します。
- 関節リウマチの手術
- 関節リウマチの手術について説明します。