エンブレル全国講演会2016
2016年5月22日 エンブレル全国講演会に参加してきました。以下の3講演を聴いてきました。印象に残ったコメントを記載します。
現在のRA治療戦略 竹内 勤先生 慶應義塾大学リウマチ科
生物学的製剤+MTXで寛解にいたった場合、患者に生物学的製剤とMTXどちらを減量したいですかと相談したところ、7:3でMTX減量を希望する患者さんが多いということでした。
実際2011年と2014年の慶應義塾大学リウマチ科での薬剤処方を比較すると、従来型のDMARDSやMTXの処方は減っているが、生物学的製剤の処方は増えているということでした。
エンブレルの利点としては、トラフ値の維持が容易であること、安全面での利点(薬剤を中止すればすぐに血中濃度が下がること)を挙げていました。
薬剤特性を考慮した生物学的製剤の選択 田中 栄先生 東京大学整形外科
Ninja(わが国の多施設共同で行われてる関節リウマチデータベース)の統計結果より、エンブレルがどのような患者で使用されているかがわかりました。
1)関節リウマチのStageが進んでいる患者
2)mHAQ高値例
3)比較的重症例
また、エンブレルは投与量を減らして使用されていることも判明しました。
50mg/週 | 57.2% |
---|---|
25mg/週 | 30.6% |
<25mg/週 | 12.2% |
寛解の先にあるもの-Beyond remission- 山中 寿先生 東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター
ENCOURAGE STUDY:発症2年以内の早期関節リウマチ患者に50mg/週のエンブレルを導入し、寛解を達成した後
→エンブレル継続群の1年後の寛解維持率 90%
→エンブレル中止群の1年後の寛解維持率 58.8%
という結果でした。
DOSERA TEST:50mg/週のエンブレルを導入し、低疾患活動性を達成した後、エンブレルを25mg/週に減量したり、中止して、再燃しても、再度50mg/週のエンブレルを投与すると、再度、低疾患活動性を達成することができました。
以上より、エンブレルの関しては、寛解導入後に、減量・中止し、再燃が起こっても、再投与にて寛解を再達成できる薬剤であることが判明しました。
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