後藤内科医院、リウマチ科、内科

関節リウマチ薬の内服の注意点Q&A

関節リウマチ薬の内服の注意点Q&A

Q1:かぜをひいた場合、かぜ薬を内服してもよいか?

A1:
1)生物学的製剤(エンブレル、レミケード、ヒュミラ、シンポニー、アクテムラ、オレンシアなど)、免疫抑制剤(メトトレキサート:MTX、プログラフなど)、ステロイド、NSAIDSを投与されている場合は注意が必要です。主治医や薬剤師に相談してください。
2)かぜの症状は間質性肺炎、細菌性肺炎、ニューモシスティス肺炎、骨髄抑制(白血球減少)などの初期症状の可能性があります。
3)ステロイド、免疫抑制剤使用中の場合、免疫抑制状態にあるため、健常者であれば軽くすむ”かぜ”であったとしても重篤化するリスクが高いと考えられ、より一層の注意が必要です。
4)かぜ薬にはイブプロフェンなどのNSAIDsが含まれている可能性があります。MTXと、NSAIDsの併用は、NSAIDsによる腎のプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためMTXの排泄が遅れる可能性があります。

 

Q2:嘔吐下痢症、夏場の脱水時にはどのような点に注意すればよいか?

A2:
  夏の暑さの中、水分摂取が不足したり、あるいは嘔吐・下痢などにより脱水状態にある時などは尿量の減少から、MTXなどの薬剤の腎排泄が低下し、当然薬剤の血中濃度が高くなり、副作用の発生に関して注意深い対応が必要となります。

 

Q3:ビタミン剤の内服に関しては問題ないか?

A3:
<MTX内服中の患者さんに対して>
 総合ビタミン剤の内服、葉酸を含む健康食品の有無についてチェックして下さい。 一部の総合ビタミン剤には葉酸が含まれており、MTXの作用を減弱させるおそれがあります。

 

Q4:MTXとの相互作用で注意すべき薬剤は何か?

A4:
1)NSAIDs
2)サルファ剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム:バクタ、サラゾスルファピリジン:アザルフィジンを含む)

 

 サルファ剤が血漿蛋白と結合しているMTXが置換されて遊離すること及び腎尿細管排泄の抑制により、MTXの血中濃度が上昇するとされています。スルファメトキサゾール・トリメトプリムとMTXの併用で汎血球減少症や骨髄抑制が認められています。

 

Q5:MTXとの相互作用で注意すべき嗜好品はあるか?

A5:
 180mg/日以上のカフェインの摂取で、MTXの作用が減弱するようです。

嗜好飲料 100mlあたりの含有量
玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
ウーロン茶 20mg
紅茶 50mg
コーヒー 40mg
麦茶 0mg
玄米茶 10mg

 

Q6:鎮痛剤(NSAIDS)、ステロイドの自己調整は可能か?

A6:
 鎮痛剤は自己判断にて減量してもよいが、ステロイド剤は自分で勝手に内服量を変更しないで下さい。

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