ベーチェット病の症状について説明します。
ベーチェット病の症状

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ベーチェット病の症状

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口腔粘膜のアフタ性潰瘍(口腔性アフタ)

 口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍は、ベーチェット病にほぼ必発であり、初発症状として多くみられます。境界のはっきりした底面に黄白色の苔状の壊死組織を付着する円形ないし楕円形の有痛性の小潰瘍で、周囲に赤みを伴っています。口唇、歯肉、頬粘膜、舌などに多く見られます。個々の潰瘍は10日以内に瘢痕を残さずにほとんど治癒しますが、再発を繰り返すことが特徴的です。

結節性紅斑

 結節性紅斑は軽度の赤みと少し硬い腫脹があり、痛みや熱感があります。下肢に好発しますが他部位にも出現します。

皮下の血栓性静脈炎

 血栓性静脈炎は皮下の静脈に血栓(血のかたまり)が生じて、静脈に炎症を起こした状態です。静脈が硬くヒモ状に触れ、赤みや圧痛を伴います。下肢に好発します。潰瘍を形成することがあります。

毛嚢炎様皮疹(にきびのような皮疹)

 顔面や体幹に毛穴に一致して小さなにきびのような膿ができます。細菌はいません。皮膚の被刺激性が亢進するので、“かみそりまけ”を起こしやすい状態です。

外陰部潰瘍

 陰茎、陰嚢、小陰唇、膣壁など口腔内アフタと類似した境界がはっきりした有痛性の潰瘍が出現します。

眼症状(ブドウ膜炎)

 30〜35歳にピーク。両眼性。男性>女性。
 男性の視覚予後は女性に比べて不良です。
 ベーチェット病の眼症状は血管炎を主体としたもので、炎症が前眼部のみに起こる虹彩毛様体炎型と、虹彩毛様体炎に加えて眼底の病変がある網膜ぶどう膜炎型に大別されます。
a. 虹彩毛様体炎
 視力低下、差明感、充血を自覚します。細隙灯顕徴鏡による所見では毛様充血、前房中の炎症細胞などが認められます。前房蓄膿が特徴的です。
b. 網膜ブドウ膜炎
 視力予後を左右します。網膜ブドウ膜炎型の頻度は眼病変のある患者の80%前後を占め、大多数が男性です。発作時の自覚的所見は急激な視力低下、飛蚊症であり、眼底の検査で硝子体混濁、網膜の浮腫状混濁、滲出斑、出血斑などが観察されます。
c. 併発白内障
 ベーチェット病における併発白内陣の頻度は約27%です。
d. 続発性緑内障

ベーチェットの副症状

a. 関節炎
 膝、足首、手首、肘、肩などの大関節が侵されます。非対称性で、変形や強直を残さず、手指などの小関節が侵されない点で、関節リウマチとは異なります。50〜60%に認められ、季節的には冬期に発現しやすい傾向があります。急性で再燃傾向があります。関節X線検査においても異常をみることは多くありません。
b. 副睾丸炎
 男性患者の約1割弱にみられます。睾丸部の圧痛と腫脹を伴います。

特殊型ベーチェット

a. 腸管ベーチェット
 腸管に潰瘍を起こしたとき、腸管ベーチェットといいます。男性に多くみられ、発症後数年を経た症例にみられます。腹痛、下痢、下血などの臨床症状を示します。部位は回盲部が圧倒的に多く、その他、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れ、穿孔して緊急手術を必要とすることもあります。 ただし、術後の縫合不全を起こしやすく、再手術もまれではありません。
b. 血管ベーチェット
 動脈、静脈ともに侵されますが、静脈系の閉塞がもっとも多く、部位では上大静脈、下大静脈、大腿静脈などに好発します。次いで動脈瘤(腹部大動脈と大腿動脈に好発)がよくみられます。
c. 神経ベーチェット
 神経症状が前面に出る病型を神経ベーチェットといいます。難治性で、もっとも予後不良です。これも男性に多いのが特徴です。ベーチェット病発症から神経症状発現まで年限がかかり、平均6.5年といわれています。好発部位は脳幹と基底核周辺部で、片麻痺、髄膜刺激症状、小脳症状、錐体路症状など多彩です。精神症状をみることもあります。眼病変を欠くものに多いといわれています。
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