肺炎について説明します。
肺炎

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 肺炎は、がん、心臓病に次いで、日本人の死因の第3位です。肺炎による死亡者の約95%が65歳以上の高齢者です。

高齢者の肺炎の特徴

1)咳・発熱などの肺炎症状が乏しく、症状が非定型的であるため診断・治療が遅れるがちになる。
2)すでに他の病気(糖尿病や心疾患など)に罹っている人が多いので、肺炎が急速に重症化しやすい。入院率、死亡率ともに高い。
3)原因として誤嚥性肺炎が多い。

高齢者肺炎の症状

1)発熱、咳、痰 など見られないことが多い。
 咳のない肺炎が高齢者では40%に達する。
2)食欲不振、全身倦怠感が前面に出ることがある。
 何となく、元気がないというときは肺炎を疑う!
3)意識障害:高齢者の肺炎の初発症状の約25%
 これらの症例は約70%以上に脱水所見が認められることが明らかにされている。
 脱水は肺炎重症化の重要な要因!

ワクチンによる高齢者肺炎予防の重要性

1)一度肺炎にかかると、身体機能が低下(足腰が弱くなる)し、それまでの日常生活に戻れなくなる可能性がある。
2)場合によっては、施設に入所したり、寝たきりになったり、死に至ることもある。
3)認知症が発症しやすくなる。
4)誤嚥性肺炎を繰り返すことがある。
5)抗生物質が効きにくい肺炎球菌肺炎が半分くらいある。


肺炎球菌ワクチン





 ニューモバックスNPは肺炎球菌の外側の膜に存在する多糖体を精製して作られたワクチンで、一方、プレベナー13は肺炎球菌の多糖体にタンパクを結合させて作成されたワクチンです。ニューモバックスNPはTリンパ球を介することなく、直接Bリンパ球を活性化させます。プレベナー13は、タンパクが結合していることにより、Bリンパ球だけではなく、Tリンパ球系も活性化させることができます。そのため、Tリンパ球とBリンパ球が相互作用することにより、優れた免疫応答を発揮します。さらに、プレベナー13で活性化されたBリンパ球はメモリーBリンパ球へと成熟し、免疫記憶が確立されます。このようにニューモバックスNPには23の血清型が含まれており、カバー率ではプレベナー13に優っています。一方、プレベナー13には肺炎球菌に対する免疫力を高める効果と免疫記憶の確立という2つの特徴があります。米国では65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチンの接種の順番に関して、2014年に方針が出されています。それによると、「最初にプレベナー13を接種し、1年後にニューモバックスNPを接種すべき」とされています。
 日本では2015年に日本呼吸器学会、日本感染症学会から、以下のような考え方が出されています。
  PPSV23:ニューモバックスNP、PCV13:プレベナー13


肺炎予防

1)口の中は雑菌が繁殖しやすいので、常に清潔にしておくことが大切です。就寝前には、歯みがきをしましょう。
2)食べた後、すぐに横になると胃から食べたものが逆流し、誤嚥を起こしてしまう場合もあります。なるべく食事の後は、体を起こした状態で一休みしてから、横になるようにしましょう。
3)睡眠中の誤嚥を予防するには、睡眠時に頭の位置を少し上げておくことが大事です。お布団などの場合では座布団などで頭の位置を、10〜30度の角度で上げて保つようにしてみましょう。
4)おしゃべりなど口を動かすことは、嚥下機能を維持するために重要です。
5)肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP、プレベナー13どちらが先でもOKです)、インフルエンザワクチンを接種してください。



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