後藤内科医院

リウマチ因子とは

リウマチ因子とは

Q1:リウマチ因子とは

 

リウマチ因子(本当の名称はリウマトイド因子)は、免疫グロブリンのひとつであるIgGに対する自己抗体で本来関節リウマチに特異的な検査項目ではありません。関節リウマチ患者のリウマチ因子陽性率は約80%で、正常者でも1-5%程度陽性となります。

 

Q2:リウマチ因子陽性となる疾患は?

 

関節リウマチ以外にも、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(顔の赤い発疹、蛋白尿、発熱などを主症状とする病気)などの膠原病、慢性肝疾患、慢性感染症等でも陽性となります。ただし、関節痛、口内炎、疲れやすい、発熱などの他の症状がある場合、関節リウマチを含めた膠原病の初期症状の可能性は否定できません。口内炎は唾液の分泌が低下するシェーグレン症候群でよく認められる症状です。シェーグレン症候群では、その他、関節痛・眼や皮膚乾燥症状などがみられます。また、紅斑・蛋白尿などが見られた場合、全身性エリテマトーデスの可能性があります。この病気でも、関節痛・口腔内潰瘍・全身倦怠感などが認められます。以上の病気が否定された場合、リウマチ因子陽性のみということになります。

 

Q3:関節リウマチとなる確率は

 

リウマチ因子陽性の人が関節リウマチになる確率について、2000年リウマチ専門誌で興味深い報告がありました。約14000人の人のうち、135人がリウマチ因子陽性で、平均16.5年経過観察したところ、そのうち7人が関節リウマチを発症したという報告です。この結果でも明らかなように、リウマチ因子陽性の人でも、リウマチにならない人の方が明らかに多いのです。ただし、関節の痛みだけでなく、腫れが出現した場合は、関節リウマチの可能性がありますので要注意です。定期的に主治医に受診してください。

関連ページ

関節リウマチの疫学、歴史
関節リウマチの疫学、歴史について説明します。
関節リウマチの病因
関節リウマチの病因について説明します。
関節リウマチの病態生理(関節炎)
関節リウマチの病態生理(関節炎)について説明します。
関節リウマチにおける細胞内シグナル伝達経路
関節リウマチにおける細胞内シグナル伝達経路について説明します。
関節リウマチの治療
関節リウマチの治療について
抗リウマチ薬
抗リウマチ薬について説明します。
メトトレキサート
メトトレキサートについて説明します。
生物学的製剤
生物学的製剤について説明します。
JAK阻害剤
JAK阻害剤について説明します。
関節リウマチ薬の内服の注意点Q&A
関節リウマチ薬の内服の注意点について説明します。
リウマチ患者の日常生活上の注意
関節リウマチ患者が日常生活上で注意すべき点について説明します。
リウマチとインフルエンザ
関節リウマチとインフルエンザについて説明します。
ACR・コア・セット、DAS
ACR・コア・セット、DASについて説明します。
関節リウマチと喫煙
関節リウマチと喫煙について説明します。
関節リウマチと脳心血管病変
関節リウマチと脳心血管病変について説明します。
関節リウマチと悪性腫瘍
関節リウマチと悪性腫瘍について説明します。
関節リウマチと妊娠
関節リウマチと妊娠について説明します。
リウマチと災害
リウマチと災害について説明します。
関節リウマチの手術
関節リウマチの手術について説明します。

ホーム RSS購読 サイトマップ